今日も素敵な本びより

~本の紹介を中心とした雑記ブログ~

『かあちゃん取扱説明書』

子どもは、「あったらいいなぁ~」
大人は、「えっ、ちょっとイヤかも~」という、タイトルの児童書をご紹介します。
 

かあちゃん取扱説明書 [ いとうみく ]

価格:1,320円
(2020/1/12 21:47時点)

「ぼくちで、一番いばっているのはかあちゃんです。」ではじまる哲哉の作文。

それを読んだ父ちゃんが大笑いして、「かあちゃんはほめるときげんがよくなるんだ。・・・パソコンもビデオも扱い方をまちがえると動かないだろ、それと同じさ」と言うものだから哲哉は、コーヒーメーカーの説明をお手本にして、かあちゃん取扱説明をつくりはじめました。

取扱説明を作るのに必要なのは相手のことを良く知ること。
哲哉は、かあちゃんが、どういう時に怒るのか、どんな時に機嫌がいいのかを観察して、じっくり考えます。

最初は哲哉の作った取扱説明どおりに、食べたいものを作ってくれたり、「勉強、勉強」と言われなくなったり、うまいこといって大喜び。
しかし、かあちゃんの観察をしているうちに、いつの間にかかあちゃんの気持ち」を考えるようになって、言われなくても宿題したり、部屋を片付けたり、早起きしたり・・・。
『お手入れの方法』のページには「ときどき肩たたき、腰マッサージ」なんて言葉まででてきます。

人の取扱説明が「本当にあったらおもしろいなぁ~」なんて思いながら、軽い気持ちで手にとったのですが、読んでみると意外と奥が深く、人と接する時の姿勢を考えさせられてしまいました。
かあちゃんと哲哉の掛け合いを楽しみながらも、家族のことを考えてみるいいきっかけになる本です。